物件がなかなか売れない…その理由と対処法

物件が売れなくて悩む男性のイメージイラスト
住み替え時に自宅を売りに出したものの、なかなか買い手がつかないという声を耳にすることがあります。不動産の売却は、一筋縄ではいきません。そこで、なぜ売れないのか、また売れるための対処法はあるのかを考えていきます。不動産は、売れるまでの期間が長くなるほど、さまざまなデメリットが生まれるため、早急に対策を講じていきましょう。

なぜ売れないのか? 売れにくい物件の共通点

物件が売れない理由は、「買い手がいないから」です。では、なぜ買い手がいないかというと、需要とのギャップがあるからです。しかし、原因を分析すれば、売れやすくなる可能性は高いのです。

 

物件が売れない主な理由は、大きく以下の三つに分類できます。

 

1.販売価格が不適切である

2.物件自体に何らかのマイナスポイントがある

3.不動産会社選びに失敗している

 

それでは、それぞれもう少し具体的に掘り下げて見ていきましょう。

 

1.販売価格が不適切である

販売価格は、不動産の売却で最もインパクトが大きい要素です。販売価格に割安感があれば、早い段階で買い手がつく可能性が高まります。逆を言えば、売れない物件の多くは、物件自体の価値に対して価格が割高であることが多いのです。なぜ割高になるかというと、不動産会社の査定価格が相場よりも高かったり、売主の希望価格を優先していたりするからです。

 

不動産会社は、他社に先んじて売主と媒介契約を結びたいと考えています。そこで、売主に選んでもらいやすいように、売主の意向を酌んで査定価格を高めに出すことがあります。価格が高い方が、仲介手数料も多くなることも理由の一つです。このため、やや相場から外れた価格設定になってしまうのです。

 

2.物件自体に何らかのマイナスポイントがある

売れにくい物件の多くは、外観や設備などに何らかの問題があります。買主にとって、見た目の印象は時に間取りや価格よりも重要です。特に初めて物件を見た時の印象は、後々まで尾を引くことになります。外壁の汚れ具合や劣化の度合い、玄関の清掃状況、水回りの清潔さなどは特に重要です。これらに大きなマイナス要因があると、買い手が付きにくい状況に陥りがちです。

 

3.不動産会社選びに失敗している

価格や物件に問題がない場合は、不動産会社が原因かもしれません。売却を依頼する際に結ぶ媒介契約(専属専任、専任、一般)は、一般的に契約期間は3カ月間です。つまり、多くの不動産会社は3カ月の間に成果を出そうと、販売活動を行います。仮に、3カ月たっても物件への問合せ自体が少ないような場合は、販売戦略に問題があるか、不動産会社の販売力自体が低いのかもしれません。

売れない時の対処法

住まいが売れないときの対処法を思いつく女性のイメージイラスト

ではここまでの理由を踏まえ、売れない時の対処法を考えます。物件が売れない場合は、主に以下のような対処法が効果的です。

 

・周辺の成約価格を調べ、適正な販売価格に改定する

・外壁や内装、水回りなどを中心にリフォームやリノベーションを施す

・不動産会社と協力し、販売戦略や広告の出し方を見直す

・不動産会社との契約を見直す(一般媒介契約⇒専属専任媒介契約など)

・不動産会社そのものを変更する

・不動産の取引が活発になる時期(2月~3月もしくは9月~12月)まで待つ

 

このように販売価格や物件の価値そのものを見直すこと、さらに不動産会社との付き合い方を考え直すことが必要だと考えられます。

売却は柔軟性も大切

ここまでの内容は、不動産会社への仲介依頼(媒介契約)によって売却することが前提です。しかし、売却には仲介以外にも方法があります。価格も安く、物件の質や外観や広告戦略に問題がないにもかかわらず買い手が現れない場合は、仲介以外の売却方法を検討してもいいでしょう。

 

仲介以外の売却方法としては、不動産会社が物件を買い取る「直接買取」や、一定期間売れなかった場合に不動産会社が買い取る「買取保証付き仲介」などがあります。これらは、仲介よりも売却価格が安くなるものの、早期に現金化できるというメリットがあります。

 

価格改定を渋るあまり、半年や1年も物件が売れなければ、その期間は「機会損失」と考えられます。これは、物件を現金化する機会の損失だけではなく、買い換えに際しより良い物件を購入する機会を損失するという意味も含まれます。

 

売れ残りによる機会損失を防ぐため、上記のポイントを踏まえつつ、柔軟かつ総合的な判断で売却を進めていきましょう。